Slowの色々

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珈琲の世界史 感想

最初に

以前、珈琲完全バイブルを読み、豆の種類や淹れ方に詳しくなったので次はコーヒーの歴史について知りたくなった。 珈琲完全バイブルの記事はこちら

slowsvarioustopics1.hatenablog.com

本書は先史時代から現代までのコーヒーの歴史を地理的、歴史的に分かりやすく解説している。

コーヒー前史

よくコーヒーの本で紹介されているのが「山羊飼カルディ」と「シェークオマール」の二つの逸話である。 これは人が初めてコーヒーと出会った時の逸話であり、どちらのエピソードもコーヒーの果実を食べ、疲労を回復したというものである。 これらの逸話は史実ではなく、民間伝承であるという。

その他の逸話では5000年前のエチオピアオロモ族がコーヒーをバターで丸めた携帯食を戦地へ持っていき、戦闘で活躍したという。 実際にカフェインは運動能力などを高める効果もあり、アスリートや軍隊などでも有効活用されているが、これも史実としては疑わしいものがあるらしい。 しかし、エチオピアの山中にーヒーノキは自生しており、そんなエチオピアからコーヒーは世界に広まり、史実としては10世紀頃に医学集成という本に登場した。

コーヒーハウス

時代は流れ、イギリスにもコーヒーは広まっていく。 1652年にロンドン初のコーヒーハウスが開き、大流行する。 これは清教徒革命の影響で市民社会の萌芽期を迎え、市民同士が政治談義や世間話をする場が求められたからだ。 後にコーヒーハウスが名誉革命を経て近代市民社会化の原動力になったのは興味深い。 コーヒーハウス以前は居酒屋など交流する場はあったが酒を飲むので最後に酔いつぶれてしまい、議論する場としては向かなかったようだ。 これは現代に生きている我々にも当てはまるだろう。 一方コーヒーならばカフェインの効能で頭がスッキリするので議論に向いている。

感想

本書は上記に書いたこと以外にもコーヒーが世界に広まった経路やアメリカ、日本での影響、近年話題になったサードウェーブコーヒーまでのコーヒーの歴史を網羅的に記述している。 コーヒーの歴史本は特定の地域や時代について書かれたものが多く、なかなか通史で書かれたものが見つからない。 著者はそれならば自分で書こうと思い、本書ができた。 著者は本書の「はじめに」でコーヒーの歴史を学ぶことについてこう書かれている。

「歴史の本」だと聞いて、ひょっとしたら「コーヒーは好きだけど、歴史自体にはそんな に興味はないから……」と尻込みしたり、なかには「歴史を知ったからといって、それに 何の意味があるんだろう?」なんて思った方もいるかもしれません。 しかし、そこには知的好奇心を満たす以上の大きな価値があります……じつは、歴史を 知っているのと知らないのとでは、コーヒーのおいしさの感じ方が違ってくるのです!

確かに読む前と読んだ後ではコーヒーの味の感じ方が違うように思う。 コーヒーが辿ってきた歴史に思いを馳せながら本書を読むのも良いだろう。


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