Slowの色々

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読書術 加藤周一 感想

今月のテーマである「読書術」の最後の本として加藤周一の読書術を購入した。
本書は1962年に高校生向けの読書術の本として刊行されたものになる。
1962年に刊行されたものだがそれほど古臭さは感じない。
本書の内容は精読、速読、本を読まない「読書術」、外国語の本、新聞雑誌、難解な本を読む読書術について書かれている。

精読術については古典について書かれている。
古典について著者はゆっくりと読むものと考えている。
日本人のものの考え方を知るために論語、仏教の経典、古事記万葉集など読まなければならないという。
また西洋を知るためには聖書とギリシャ哲学を学ばなければならない。
これらを知ることで日本と西洋を理解することが出来るという。
また、これらを一回だけ読むのではなく繰り返しゆっくりと読むことが重要になる。

速読術については飛ばし読みや単語に注目する方法、一冊ではなく同時に数冊読む方法が書かれている。

本を読まない読書術では書評、ダイジェスト、耳学問で済ます方法について書かれている。
私達の周りには数多くの本が出版されており、その全てを読むわけにはいかない。
だからこそ読むべき本を厳選する必要がある。
読むべき本を厳選するには読まない本を選ぶ必要があり、書評などで済ますことが重要になる。

外国語の本を読む方法は興味がある分野を選ぶことである。
中学、高校で使う教科書の内容はつまらないものが多く、それよりも自分が興味のある分野の本をたくさん読んだほうがいいとしている。

新聞や雑誌を読む方法としては立場の違う新聞を2誌読むや見出しだけを読んではいけないとしている。
新聞の見出しは当てにならず事実とは少し違うものになっている。
これは私も経験があり、見出しではセンセーショナルなものが書かれていたが記事を読むと見出しのニュアンスとは少し違っていたものになる。
だからこそ立場の違った2誌を読む必要が出てくる。

難解な本を読む読書術では読んで難しい本を読む方法が書かれている。
難解な本がなぜ難しいか理由が二つある。
1つ目は作者の問題だ。文章が悪く、作者自身も専門用語などを理解しておらず、何を書いているか分かっていない場合がある。
2つ目は読者自身の問題だ。文章に使われている用語が分かっていない場合がある。
そういう場合は辞書などで用語を確認しながらもう一度読んでいく。
また読者の経験が必要なものもある。旅行記は旅の前よりも旅の後のほうが楽しめるのは 自分が経験したからである。

最後に

1962年に出版されたものだが今でも十分に通用するものになっている。
そもそも読書自体はそんなに変化するものではないのだろう。
本書ではこんなエピソードが紹介されている。
著者は片道一時間半の通勤電車の中でラテン語文法を学んだという。
今でも電車の中で勉強や読書をしている人は多いが著者は第二次大戦の戦中に行っていたという。
どれだけ通信技術が発達しようが2018年の現在でも毎日電車に乗って通勤通学しなければならないから本当に世の中が発展しているのか疑問に思ってしまう。
もしかしたら人の営みは良い悪いと関係なく変わらず、読書術も未来永劫変わらないのかもしれない。


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