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理科系の読書術 感想

本書は理科系とタイトルに付いているが文理問わず本を読むのが苦手な大学生や社会人向けに書かれている。
著者は京都大学の教授で学生から本をどう読めばいいかという質問をもらうことがあるという。
京都大学の学生でもそういう悩みがあるのならば大体の人は同じ悩みを持っていてもおかしくはない。

本書では徹底的に読書への思い込みで発生している「心のバリア」をなくす方法が書かれており、本書を通して理科系の読書術を学んでいくことになる。

第一部の第一章では本を読むのが本当に苦手な人に対してのアドバイスが書かれている。
著者は本を読むのが苦手な人を以下の5つに分類している。
・1「億劫で読み始められない」
・2「読み始めても最後までたどり着かない」
・3「読む時間がない」
・4「ビジネス書と小説の読み方の違いがわからない」
・5「そもそも読書がなぜ大切なのか分からない」
である。

これらの解決方法として読みやすい本を選ぶ、すぐそばに本を置く、面白くない本は途中でやめる、15分間集中して読書をする、
小説と違ってビジネス書は知りたい情報を3つに絞って読むなどが示されている。
これを行うことで苦手意識という心のバリアを低くすることが出来るという。

第二章では難解な本の読み方が書かれている。
著者は読書を著者とのコミュニケーションと考えている。
難解な本とコミュニケーションを取りにくいのは「フレームワーク」が合わないからだとしている。
フレームワークとは考え方の枠組みで自分からこれに合わせなければならないという。
その方法はラベル解読法と言う。それは著者が使うキーワードを理解することである。

また、理系的な考え方のアプローチで読書する方法もある。
それは「棚上げ法」と「要素分解法」である。
棚上げ法は分からない部分を飛ばすことで要素分解法は文章をバラバラにし、主語と述語を確認する方法である。

第三章では多読、速読、遅読について書かれている。
多読は著者はあれもこれもと言った多読を推奨していない。
知識は必要になったとき不足分を補えばいいと主張している。

速読とは「著者が述べたい本質を書かれた文章から読み取る技術」のことで期限が決まっているときにこの技術が必要になる。
速読は必要悪で期限が決まっているときに使うのを推奨している。

遅速は速読と違いマイペースに読書することであり、自分の人生に残る一行に出会うことである。

第四章からはアウトプット優先の読書術が紹介されている。
アウトプット優先の読書術は知的生産を行う前に情報を収集するための読書法である。
知的生産を行う前に読書で情報を収集しなければならない。
しかし、時間制限がある課題に対して持ち時間を設定しなければならない。
そういう場合は時間の枠組みを決めて全体の時間を把握してどれくらい読書に時間を当てられるか考慮しなければならないという。
そこで役に立つのが「割り算法」だ。
この読書法は限られた時間内に一日何ページ読めばいいか見積もりを立てる方法だ。
ここで重要になるのは余裕を持って最後までやり通すことだ。
またこの章では本に読まれてはいけないというショーペンハウアーの考えも紹介されている。

最後に

本書は上記以外でも本の集め方やメモ法、補章でレヴィ=ストロースの「ブリコラージュ」の考えが紹介されている。
最終章のブリコラージュの考え方は一読の価値がある。
本書を読んだ感想としてはアウトプット優先の読書術はあまり他の読書術では語られていないので非常に面白い。
また著者の速読の考え方も非常に賛同できるものとなっている。
読書術の本は多く世の中に出版されているが同じような本を読んだことがある人にもおすすめだろう。


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