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孔子 (講談社学術文庫) 金谷治 感想

最初に

今月の読書テーマに孔子論語を選んだが、ただ単に論語を読むだけでは自己啓発で終わってしまいそうなので孔子自身を詳しく解説しているこの金谷治著の「孔子」を読んでみた。
この本は孔子の生涯や生きた時代背景、論語の解説や孔子が後の時代に与えた影響などが載っている。

孔子を学ぶ3つの理由

著者は現代において孔子を学ぶ3つの理由があるという。
それは以下の通りである。
孔子が果たした歴史的な役割の大きさ
2思想や人格を通して現代にまで訴えるような孔子の人格
3功罪を含めてその思想が後世に及ぼした影響 

まず一つ目の孔子が果たした役割だが孔子の生きた時代は春愁時代の末期であり、すぐそこに戦国時代が迫っていた。そういう大きな変動を伴う時代に孔子は生きていた。
孔子は変動の時代に対して危機感を抱いており、伝統に立ち返って新しい秩序原理を引き出そうとした。それが仁を中心とする道徳思想であった。
そして孔子の思想に共鳴した門人がおり、学団を形成し、後の世に孔子の思想を伝えた。
孔子の持っていた仁を中心とする道徳思想と学団こそが歴史的に大きな役割を果たしたと著者は言う。

二つ目の思想や人格を通して現代にまで訴えるような孔子の人格だが、それは孔子が謙虚な好学の努力家であることが論語を開けばすぐ分かると著者は言う。
孔子はすぐ早くに父を亡くし、青年時代は貧賤であったという。だからこそ疑問を持てば誰にでも教えを請い勉学を続け、聖人と人から言われても自己を磨き続けたという。
著者は孔子の偉大なところは聖人と言われても自己の研鑽を続けたことだという。
また孔子は人間的であり、その言葉は身近な日常生活の中にあったという。
孔子の説いた道徳は社会的人間としてのごく自然な生き方を問題にしており、そこに神秘性や権威的なものは感じさせない。だからこそ孔子は親しみやすく感じるという。

3つ目は功罪を含めてその思想が後世に及ぼした影響だが、孔子の思想が儒教となり、後に国教になった。その影響は中国だけではなく日本や朝鮮にも波及し、現代でもそれは続いている。
しかし、著者は孔子の思想と儒教を同じものと考えるのは誤りであると言う。
孔子の思想は儒教思想の変遷につれて時代とともに姿を変えているという。
著者は孔子から受け継がれて儒教思想の核になったのは家族性に基づく道義主義であり、
現実的な生活に根ざした普遍的な人間的道徳であり、その根底を支えたものが天の思想になるという。
この天の思想が国家権力と結びつき、家父長権の強化ともに封建倫理としての性格を強めることになったという。

後世に伝わる孔子像はどれだけ真実か?

この本で面白いのは論語がどれだけ真実を伝えているかということを論じている部分である。
論語孔子の死後、弟子たちが孔子の言葉を記録した書物になる。
著者は孔子の伝承として論語が最も信用できる資料としているがその論語でも信憑性にかけるものがあるという。
これは書物を作る過程で不純なものが交じる余地があったからだと著者は言う。
また論語以外にも孔子の言葉や実績についての記録は数多くあるが矛盾する点や後の時代になって付け加えられたものや故意に孔子を貶めるものもあるという。
また孔子の真実の言葉は孟子の時代ですでに曖昧なものになっていたという。

最後に

本書は論語を学ぶ上で最高の副読本と言える。
「最初に」の部分でも書いたが論語をただ読んだだけでは自己啓発になってしまう。
それは論語を読むだけでは孔子と弟子のありがたい言葉を読むだけになってしまうからである。
それでも十分に読む価値はあるが上記の「どれだけ真実か?」にも書いたが論語の中にも信憑性に欠けた資料があることはただ読むだけでは分からない。
また孔子の生きた時代背景も論語だけを読んだだけでは知ることも出来ないのでこの本を読めば論語の理解も深まるだろう。

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